【施工事例】NOT A HOTEL ISHIGAKI「EARTH」“もう一つの地球”に、白という余白を宿す
- 2025年7月17日
- 読了時間: 3分
更新日:1月30日
石垣島の建築シーンにおいて、ひときわ異なる存在感を放つヴィラNOT A HOTEL ISHIGAKI「EARTH」。
約3,000坪という広大な敷地に、わずか一棟のみ建てられたこの建築は、世界的建築家・藤本壮介建築設計事務所によるプロジェクトです。
自然と建築の境界を極力曖昧にする構成は、 ここ石垣島においても強い説得力をもって立ち現れていました。
■ 施工概要
物件名:NOT A HOTEL ISHIGAKI「EARTH」
設計:藤本壮介建築設計事務所
所在地:沖縄県石垣市
施工箇所
室内壁・天井
テラス壁・軒天
使用素材
モールテックス(特注色・白)
Photo:Newcolor inc.
■ モールテックス施工|“白”を一色で終わらせないために
本プロジェクトでは、室内から屋外にかけて連続する壁・天井仕上げとして、特注色のホワイト・モールテックスを採用しています。
この白は、いわゆる「無垢な白」ではなく、石垣島の強い光、空と海の青を受け止めるために調整された、わずかに奥行きを感じる色味です。
時間帯や天候によって、
光を柔らかく受け止めるとき
陰影を際立たせるとき
その表情が大きく変わり、空間全体に静かな浮遊感を与えているように感じられました。
■ 屋内外をつなぐ左官仕上げとして
モールテックスは、屋内外を問わず使用できる耐久性と防水性を備えた左官材です。
軒天やテラスなど、紫外線や風雨の影響を直接受ける環境においても、意匠性を損なわず仕上げられる点が、この建築との相性の良さにつながっています。
仕上げを切り替えるのではなく、素材を連続させることで、内と外の境界がより曖昧になる。
その構成を、左官仕上げとして支えています。
■ 施工者として意識したこと|白の情報量を整える
白い左官仕上げは、色そのものよりも「ムラ」「鏝跡」「光の拾い方」が強く表れます。
そのため本件では、
テクスチャを出しすぎないこと
しかし完全に均一にも寄せすぎないこと
広い面積でも視線が疲れない粒度に抑えること
こうした点を前提に、サンプル調整と現場での微調整を重ねています。
白を“主張”させるのではなく、建築と自然をつなぐ下地として成立させることを優先しました。
■ 仕上がりから受け取った印象
完成後、建築全体を眺めると、白いモールテックスの面が前に出ることはありません。
代わりに、光・風・植栽・空の色を受け止めながら、建築の輪郭を静かに支えている印象を受けました。
このプロジェクトを通じて、モールテックスという素材が、「表現のため」だけでなく、環境と建築をつなぐための仕上げとして機能していることを、あらためて実感しています。
■ 設計段階での参考ポイント(施工者の立場から)
白系のモールテックスを大面積で用いる場合、
光環境をどう受け止めたいか
均一さと揺らぎのどちらを優先するか
屋内外でどこまで連続させるか
といった方向性を、早い段階で共有しておくことで、完成後の印象を安定させやすくなります。
■ お問い合わせ
オフィスTAKAHATAでは、全国でホテル・ヴィラ・商業施設の特殊左官仕上げを行っています。
設計の意図を代弁するのではなく、素材と施工精度によって、空間を静かに支えることを大切にしています。
モールテックスをご検討の際は、お気軽にご相談ください。







